各駅を訪ねて【名鉄犬山線】トイレのある無人駅 大山寺駅

各駅を訪ねて【名鉄犬山線】トイレのある無人駅 大山寺駅

↑ 対向ホームとなっている大山寺駅は、上下線で改札口が異なっている

大山寺(たいさんじ)駅は現・犬山線開業から3年後の大正4(1915)年2月5日にできた駅ですから、来月早々に開業110年となります。戦後の昭和27(1952)年3月25日に無人駅となりました。
当時の空中写真をみると、すぐ西側を並行している岩倉街道沿いに家並みがありますが、犬山線も大山寺駅も田んぼの中に位置しています。いまの駅前広場も田んぼだったようです。
駅舎らしきものはなく待合室レベルの屋根がありますので、おそらくいまの駅舎とさほど変わらない大きさの駅舎だったのでしょう。
ところで、駅名から近くに大山寺という寺院があると思いますよね。でもないのです。
前述の岩倉街道沿いの家並みの住所が大山寺本町となっていますので、かつてこの辺りに大山寺があったのだろうと想像するだけです。
ちなみに、駅からまっすぐ西へ100メートルほどのところに大山寺教会があります。教会という名ですが、キリスト教会ではなく真宗大谷派の寺院です。大山寺の村内に法話場がなくなったため、明治12(1879)年に説教場が設けられ、それが戦後に大山寺教会になったようです。

↓大山寺駅は岩倉市の南端に位置している
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大山寺駅は岩倉市の南端に位置しています。
岩倉市には上の地図にあるとおり、石仏駅・岩倉駅・大山寺駅と3つの駅があります。
岩倉市の面積は10.47平方キロメートルです。南北は長いところで約5キロ、東西は長いところで4キロ弱です。しかも平坦な濃尾平野のど真ん中ですので、標高差はわず4メートルほどだそうです。
このコンパクトな市だけに、市内のどこからでも犬山線の駅へは容易にアクセスできます。
それでいて、岩倉~名鉄名古屋は特急で11分、大山寺~名鉄名古屋は各駅停車でも19分と至って便利な立地です。
また地図からわかるように、北東に小牧インターチェンジ、西に一宮インターチェンジがあり、名神高速・東名高速を使っての遠出も容易です。

↓緑屋根が特徴の大山寺駅には公衆トイレがある
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上の写真は夕方に写したため、手前の駅前広場が陰ってしまっています。
その分、緑屋根の駅舎が際だって見えますよね。
左側の駅舎は犬山方面ですが、その入口の下に公衆トイレがあります。
犬山線の無人駅で、駅前に公衆トイレがあるのは大山寺駅のほかに石仏駅と犬山遊園駅だけです。
このうち犬山遊園駅はモノレールが廃止されたあとの2020年に無人化されたばかりです。他の大山寺駅と石仏駅は岩倉市内の駅ですから、岩倉市の体制がしっかりしていることがよくわかりますよね。
ところで、ホームに上がるスロープの左右には、青いずいぶんとしっかりとした壁があります。遠目では、何て無骨な壁だろうと思いましたが、近付いてみて驚きました。

↓犬山方面のホームへのスロープにある縦杭は古レールの再利用だった
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スロープの壁の縦杭がやけに太いと思ったら、これ古レールではないですか。
古レールをこういった鉄道関連施設に流用することはよくあります。
その場合、縦杭には使いますが、そこに板を張って“壁”にするようなことはあまりなく、多くは横棒を通して柵にします。
なんとも珍しい工作をしたものです。
横風が強いとかでの対応でしょうか。
予想外の光景に、一瞬立ち止まってしまいました。
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